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痛風の原因 プリン体は悪玉ではなかった!気をつけるべき5つの原因

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痛風の原因に関することで一番多い誤解がプリン体についてです。

プリン体ゼロビールが重宝されていることからも分かるように、食べ物に含まれるプリン体が悪玉で、痛風の原因だと思われている方が多いようです。

プリン体と言えば痛風というくらい、一般に認知された感のあるプリン体という言葉ですが、プリン体の摂取を制限しても、痛風の発症リスクはそれほど変わりません。

それどころか、プリン体が多く含まれている核酸という物質は、生命維持活動になくてはならないものです。

痛風を引き起こす本当の原因は、他にあるのです。

今日の記事では、なぜプリン体の摂取制限をしても痛風の予防にはならないのか、痛風の本当の原因は何なのか、どうすれば痛風を予防・再発防止できるのかをお教えします。

痛風が発症するメカニズムと正しい原因を知って、痛風の予防、再発の防止をしましょう。

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痛風発症のメカニズム

痛風の原因に入る前に、痛風が発症するメカニズムを簡単にご説明します。

痛風は関節に付着した、尿酸という物質の結晶である尿酸塩が関節から剥がれ落ち、それを白血球が異物だと認識し、攻撃することで起きます。

白血球が尿酸塩を攻撃する時に、炎症を起こす物質を分泌し、それが痛風関節炎、いわゆる痛風となるのです。
尿酸塩

それでは尿酸の結晶である尿酸塩はどのようにしてできるのでしょうか?

尿酸塩は血液中の尿酸の量が過剰になり、血液中に溶けきれなくなることによって生じます。汗が乾くと塩の結晶ができるのと同じ原理です。

血液中の尿酸の量は尿酸値として数値化されています。尿酸値が上昇する原因は、身体で尿酸がたくさん作られ過ぎるか、または身体から尿酸の排出がうまくいっていないかのどちらかです。

通常は、尿酸の生成と排出のバランスが取れ、尿酸値は正常の範囲に保たれているのですが、このバランスが崩れると尿酸値が上昇し、痛風が起こりやすくなります。

まとめると、痛風の発症するメカニズムは、何らかの原因によって身体の中に尿酸が過剰に作られる、あるいは身体から尿酸の排出がうまくいかないことによって、バランスが崩れることから始まります。結果、尿酸値が上昇し、血中に溶けきれずに結晶化した尿酸塩を白血球が攻撃することで生じます。

ここからは、尿酸とは何か、どうして尿酸が過剰に作られたり、排出が少なくなったりすることがあるのかを探り、痛風の原因の秘密に迫ります。

 

尿酸は悪玉ではない。身体を健康に保つ尿酸の力

人間の生命活動の中で、尿酸は日々、体内で一定量が新たに作られたり、食事から摂取することで体内に取り入れたりすると同時に、体外へ一定量が排出されています。通常の健康体の人は、尿酸の入りと出のバランスが取れ、尿酸値は正常の範囲に保たれます。

尿酸はプリン体という物質が肝臓で代謝されたものです。身体から要らなくなったゴミのように聞こえますが、実は尿酸は抗酸化という大切な役割を果たしていて、身体に一定量を常に溜めておく仕組みになっています。

アルツハイマーの人は尿酸値が低い人が多いというデータもあり、一定量の尿酸は身体にとって必要なものなのです。

尿酸の原料となるプリン体は、遺伝子情報を司るDNAに多く含まれます。プリン体は細胞を通じて身体の中にも存在し、また食べ物を通じて身体に取り込まれます。

日々の新陳代謝で使われた細胞からプリン体が肝臓で処理され、尿酸となります。また、食べ物から取り込まれたプリン体も一部、肝臓で処理され尿酸となります。

尿酸は腎臓で処理され、尿や汗となって体外に排出されます。

入りと出のバランスが取れていれば、通常は尿酸値が上昇することはありません。

 

食べ物のプリン体はさほど気にしなくてよい

それではどのような時に尿酸値が上昇するのでしょうか?

まだ痛風研究が十分に進んでいない頃、やり玉にされたのが食べ物のプリン体です。以前は食べ物からのプリン体は、ほとんどが肝臓で処理され、尿酸になると考えられていました。

そのため、プリン体を多く含む高プリン体食の制限が、痛風患者への療法の主流でした。

しかし、研究が進み、食べ物から吸収されたプリン体の多くは、腸で分解されて尿酸に変わることなくそのまま排出されることがわかってきました。食べ物のプリン体は、よほど集中して過剰に食べなければ、さほど気にしなくてもよいという考えに変わってきたのです。

特に野菜に含まれているプリン体に至っては、摂取しても、痛風リスクに影響がないことが調査データでわかっています。

食べ物のプリン体が尿酸値を上げる主たる原因でないとすれば、何が痛風の原因なのでしょうか?

 

これだけ知れば大丈夫 痛風リスクを高める5つの原因

走る肥満者

肥満は痛風への着実な第一歩 脂肪は雪だるま形式で増加する

先ほど、食品に含まれるプリン体はさほど気にしなくてよいと申し上げましたが、肥満は尿酸値上昇につながることがわかってきました。そのため、痛風患者の食事療法として、総エネルギーの制限が指導されるようになってきています。

痛風予備群である、高尿酸血症(尿酸値が7.0mg/dl以上)の人の6割程度が肥満であると言われています。肥満と痛風リスクには相関関係があるのです。

少し専門的な話になりますが、肥満になり、内臓脂肪が蓄積されると、アディポネクチンというホルモンのような働きをする物質の分泌量が減少します。アディポネクチンの分泌量が減少すると尿酸値が上昇します。

さらには、アディポネクチンの分泌量が減少すると、脂肪分解能力が減少し、ますます肥満になりやすくなります。こうして、雪だるま式に痛風の危険度が上がるという悪循環に陥るのです。
 

アルコールは痛風への特急券

食事の量(総エネルギー)が、脂肪となってゆっくりと徐々に尿酸値を上げる要因だとすると、アルコールは急激に尿酸値を上昇させる要因です。

アルコールを大量に飲酒したことがきっかけで痛風発作を起こす人は珍しくありません。それくらいアルコールは急激に尿酸値に影響を与えるのです。

アルコールを摂取することにより、肝臓でのプリン体代謝が促進され、尿酸の量が増加します。そして、アルコールの影響で血中乳酸濃度が上昇し、腎臓の尿酸排出機能が低下します。

このようにアルコールの摂取は、体内の尿酸の生成を促進し、尿酸の排出も抑制するというダブルパンチになるので、一気に痛風リスクを高めてしまいます。

また、アルコール、特にビールに含まれるプリン体も影響します。通常は、食品に含まれるプリン体はさほど気にする必要はありませんが、アルコールによりプリン体代謝が促進された状態で、適量を超えるアルコールを摂取をすれば、摂取されたプリン体が尿酸値に悪影響を与えます。

さらに、お酒を飲むときは一緒におつまみを食べることが多いと思います。おつまみに含まれるプリン体も尿酸値を上昇させる要因になります。
 

激しい運動

体内に十分な酸素が取り込まれないような激しい運動、例えば、マラソンやサッカーなどのような無酸素運動をすると、体内エネルギーのATPという物質が分解され、プリン体が発生します。

運動後にビールというのは、痛風にとって最もよくない組み合わせです。

同じ運動でも、息を切らさない程度の軽めのジョギングのような有酸素運動は、尿酸値を下げますので、痛風にはゆったりとした運動がお勧めです。
 

ストレス

ストレスは腎機能を低下させて、尿酸の排出量を低下させます。また、身体がストレスを受けていると、エネルギー消費が激しくなり、体内からプリン体が生成され、尿酸値を上昇させる原因となります。
 

遺伝

肥満、アルコール、運動、ストレスといった生活習慣の要因の他、遺伝的な体質で尿酸値が高くなる方もいらっしゃいます。

痛風患者さんの親族には痛風経験者が多い傾向があります。

ただ、痛風は生活習慣による影響が多い病気です。若い頃は尿酸値は正常で、30代、40代になってから高尿酸血症になったという方は、生活習慣が原因の可能性が高いです。

痛風に限らず、生活習慣病の元になっている主要因はメタボリックシンドロームです。メタボリックシンドロームは、良質な食事と適度な運動で必ず改善できます。

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