*

痛風は初期症状もなく突然やってくる!尿酸値でわかるあなたの痛風危険度

公開日:

健康診断で痛風になる恐れがあると指摘されたけれど、自覚症状も初期症状もなく、健康そのものだから自分には関係ない、気にしなくても大丈夫と思っていませんか?

それは大きな間違いです。なぜなら、痛風予備群のほとんどの人に、自覚症状や初期症状はなく、見た目や体調は普通の健康な人と全く変わらないからです。

痛風は予兆も初期症状もなく突然発症するのです。痛みに気がついた時にはもう遅いのです。そして痛風を放置すれば、腎不全など重大な病気を引き起こし、一生を駄目にしてしまうリスクもあります。

初期症状のでない痛風は予防が大事です。そして、痛風は生活習慣によるところが大きく、自己管理により発症を防げるケースがほとんどです。

痛風予防と言っても、プリン体の摂取制限という考えは古く、見直されてきています。今日の記事では、プリン体の摂取制限をすることなく、痛風リスクを激減させる方法をお教えします。

スポンサーリンク



痛風は初期症状もなく突然やってくる

痛風になりそうっていう、前兆みたいなものってあるんですか?
痛風には前兆がないのよ。発症するまでは自覚症状がなくて、見た目は健康の人と変わりないの。
それじゃあ、気がついた時には痛風?
そう。だから、健康診断で痛風の恐れがあると言われても、体調はいいし大丈夫と考えていると突然痛い目にあうのよ。
どうやって、痛風を予防すればいいんですか?
尿酸値を見れば痛風になるのか予測できるわ。
前回教わった尿酸値ですね!(痛風とは?)
確か7.0mg/dl以上で痛風になりやすいんですよね?

そう、よく勉強してるわね。尿酸値と痛風発症率は比例していて、高ければ高いほど痛風になりやすいのよ。


尿酸値が正常値よりも高い状態を高尿酸血症と言います。高尿酸血症の状態が続くと痛風になるリスクが高まります。

痛風の原因となる高尿酸血症はやっかいな病気です。

高尿酸血症であっても、どこにも身体の不調は現れず、普通の人と全く変わらない生活ができるからです。そのため、病気であるとの認識が薄く、高尿酸血症を治そうというアクションが起こりにくいのです。

痛風と同じく生活習慣病である糖尿病の場合、喉が渇く、尿の量が多くなる、体重が減少するなどの自覚症状や初期症状があります。糖尿病に限らず、ほとんどの病気は何らかのシグナルがあります。

そのようなシグナルがあると、気をつけて予防ができたり、本格的な病気になる前に引き戻ることができます。

しかし、高尿酸血症はそのような自覚症状や初期症状がないため、痛風のリスクを認識しながらも病気を放置しがちです。

そして、ある日突然、痛風を発症して驚くことになるのです。昨日まで、何もなかったのに!

初期症状や日常の異変もなく、万が一発症してもただ痛いだけなら大したことはないと、痛風を軽く考える方もいます。

しかし痛風は痛いだけの病気ではないのです。

痛風の原因である高尿酸血症が進んでいくと、腎不全などの重大な病気をまねくようになります。腎不全は人工透析をしなくてはならないような深刻な病気です。場合によっては死にもつながります。

そこまでいかなくても、高尿酸血症を放置しておくと、痛風を繰り返し発症するようになります。しかも、その頻度はだんだんと短くなっていきます。痛風の比ではないくらい痛い、尿路結石の発症リスクも高まります。

痛風だけではなく、死にもつながる危険性のある病気を防ぐためにも、高尿酸血症を改善していく必要があるのです。

自覚症状のない高尿酸血症から痛風を予防するためには、客観的な数値である尿酸値が大切なバロメーターになります。

尿酸値と痛風発症率は明確に相関関係があり、尿酸値を下げることにより痛風発症リスクは確実に下げることができます。

 小まとめ 

・痛風の原因である高尿酸血症に自覚症状や初期症状はない。突然、痛風は発症する。
・痛風は痛いだけの病気ではない。高尿酸血症が進むと腎不全などの重大な病気を引き起こすリスクがある。
・初期症状がない痛風を予防するためには、尿酸値が大切なバロメーターになる。

 

尿酸値が9.0mg/dlを超えると10人に6人以上が痛風を発症する

それでは、尿酸値と痛風発症リスクの関係をデータで見てみましょう。

下記の図は尿酸値が7.0mg/dl以上の高尿酸血症が5年間の間にどのくらい痛風を発症したかのデータです。

日本ではこのような調査データが存在しないため、台湾での調査データになります。

このデータによると、5年間の痛風累積発症率は、尿酸値7.0-7.9mg/dlの人が10.8%、8.0-8.9mg/dlの人が27.7%、9.0mg/dl以上の人にいたっては61.1%と、なんと10人に6人以上もの人が発症しています。

risk

心配になったかも知れませんが、尿酸値が7.0mg/dl以上になったからといって、すぐに痛風を発症するわけではありません。長期間、尿酸値が7.0mg/dl以上になっていることによって、血中に溶けきれなくなった尿酸がだんだんと結晶化し、痛風が起こりやすくなります。

一時的に尿酸値が高くなっても、尿酸値が7.0-7.9mg/dlの間であれば、生活習慣の改善により、高尿酸血症を解消し、正常な状態に戻すことは十分に可能です。

特に、若い頃は尿酸値が正常で、年齢とともに尿酸値が上昇してきた方の場合は、高尿酸血症の原因が生活習慣である可能性が高く、薬に頼らずに生活習慣の改善で治すことは現実的です。

尿酸値が8.0mg/dl以上の方の場合、7.0-7.9mg/dlの方と比べて、痛風リスクが3倍程度高くなります。生活習慣の改善だけでは足りない場合もあり、痛風外来で相談するとよいでしょう。

尿酸値が9.0mg/dl以上の場合、いつ痛風を発症してもおかしくはありません。痛風以上に合併症が心配されます。一刻も早く痛風外来に行きましょう。薬で尿酸値を下げることが必要です。

ただし、薬で尿酸値を下げる場合でも生活習慣の改善は必要です。以下の記事を参考にしていただき、楽しみながら尿酸値を下げて行きましょう。

 小まとめ 

・高尿酸血症になったからと言ってすぐに痛風を発症するわけではない。
・尿酸値が7.0-7.9mg/dlであれば、生活習慣の改善で正常に戻ることができる。
・尿酸値が9.0mg/dl以上の場合、一刻も早く痛風外来に行く必要がある。


No Beer, No Life!  楽しみながら痛風予防する方法

10023918_m

痛風を予防するためには、尿酸値に気をつけるということまではわかりましたが、尿酸値を下げるためにはどうすればいいんですか?
そのためには、食生活や生活習慣の改善が重要よ。
食生活の改善・・・ もしかして、お肉とかお酒はダメとか。
お肉やお酒を控えたほうが痛風予防にはいいけど、マナブ君、そんなことできる?
お肉やビールをやめるなんてできないです!僕の人生の楽しみがなくなってしまいます。
そうようねえ。今日はお肉やお酒をやめないで痛風予防する方法を教えるわよ。


食生活の改善。その言葉を聞いただけで嫌になり、今にもこのページを閉じようかと思っているかも知れません。お肉を食べられない人生なんて、ビールを飲めない人生なんてあり得ない。肉やお酒を制限するくらいなら、痛風になってもいいとまで思うかも知れません。

ここで提案する生活習慣の改善は、肉やお酒の制限ではありません。もちろん、お肉やアルコールを完全に制限できれば痛風予防には確実にプラスに働きます。

しかし、楽しくて美味しい食事は人生の大きな楽しみの一つです。それを完全に制限する方法はなかなか長続きしないのではないでしょうか。

ましてや高尿酸血症は自覚症状がありません。体に変調がないのに、ストイックに食事制限するのにはかなり強い自制心が求められます。

それに、後述する通り、食事やアルコールをガチガチに制限することはストレスにつながり、かえって尿酸値を上昇させてしまう可能性があります。

その意味で、適度な食事とアルコールを楽しみながら生活習慣の改善を図る方法が、現実的な痛風予防だと考えます。

痛風リスクを激減させる3つの生活習慣の改善方法とは?

痛風を予防するためのポイントは、つらい食事制限、プリン体摂取の抑制ではありません。以下の3つのポイントを守っていただければ、痛風の発症リスクは激減します。

1. 肥満を改善すると高尿酸血症も改善する!

18615827_m
高尿酸血症の人の60%が肥満であると言われ、痛風と肥満は密接な関係があることがわかっています。

プリン体を過剰摂取するから痛風になるのではと思われるかも知れませんが、少し事情が違います。

肥満と高尿酸血症の関係の本当の原因は脂肪自体にあります。

脂肪、特に内臓脂肪が増加すると体内で尿酸値の上昇を抑える物質の分泌が減少し、尿酸値が上昇しやすくなるのです。

逆に肥満を治すと高尿酸血症が改善するというデータがあります。

ですから、肥満を治すことは高尿酸血症対策の最重要項目の1つなのです。肥満の指標であるBMI値が標準より高いと、痛風リスクが1.2倍に高まります。

高尿酸血症の方の食事の傾向として、早食い・大食いということがあります。

早食いは肥満につながります。早食いをすると脳が満腹感を感じにくいため、大食いをしてしまうからです。

痛風になりやすいタイプの型として、いわゆるできるビジネスマンが多いのですが、そういう方は食事の時間もそこそこに仕事をしたいという気持ちがあるのだと思います。

ゆっくり食事をしても10分も変わりません。痛風で会社を一週間も休むような事態を引き起こさないためにも、美味しいものをゆっくりと食べるという習慣をつけましょう。

2. ストレスこそ痛風の最大の敵!適度なビールでストレス解消する

ストレスが尿酸値を上げることもデータとしてわかっています。ストレスが尿酸値上昇に与える影響は大きく、生活習慣が招く高尿酸血症・痛風の原因で最大のものと言っても過言ではありません。

ストレスが尿酸値を上昇させるメカニズムは、はっきりとはわかっていませんが、ストレスによって腎機能が低下し、尿酸の排出量が低下すると考えれれています。

ストレスによって身体がうまく動かないということは、誰にでも経験があるかと思います。癌でさえ、ストレスは最大の原因の一つと言われています。痛風の予防でもストレス対策は重要です。

仕事のできる方はストレス発散の仕方も上手な方が多いです。しかし、ストレスは仕事を頑張ろうという前向きな興奮状態でも発生しています。気がつかない間にストレスは溜まっています。

ストレス解消には、自然に親しむ、趣味に没頭する、この後に述べるウォーキングのような有酸素運動が効果的です。また、適度なアルコールもストレス解消にはよいでしょう。

日本痛風・核酸代謝学会によると、ビールであれば1日500ml(中瓶1本程度)を摂取許容量の目安としていますので、この範囲で楽しみましょう。

3. 有酸素運動で尿酸値が減少する

痛風を予防するための生活習慣として、とてもお勧めできるのがウォーキングです。ウォーキングのような有酸素運動は、それ自体に尿酸値を下げる効果があるだけでなく、先に述べた肥満解消やストレス解消にも効果的で、一石三鳥の役割を果たすからです。

(1)有酸素運動で痛風リスクが40%減少

ウォーキングのような有酸素運動は尿酸値を下げます。適度な運動は痛風リスクが0.6倍に低下するというデータがあります。

(2)肥満解消で尿酸値が減少する

ウォーキングの有酸素運動によって、ゆっくりですが、着実に脂肪を減らすことができます。痛風に限らず、肥満を解消するとあらゆる生活習慣病のリスクを軽減することができます。

(3)ストレス軽減で尿酸値が減少する

ウォーキングをお勧めする最大の理由が、ストレスを軽減させることができることです。
一定時間、ウォーキングをしていると脳からセロトニンという物質が出てきます。セロトニンは幸せ物質と呼ばれ、セロトニンの分泌により気持ちが穏やかでリラックスできるようになります。

このように、ウォーキングには、有酸素運動による尿酸値低下、肥満解消による尿酸値低下、ストレス解消による尿酸値低下と、トリプルの効果があるのです。

肥満解消やストレス解消に運動をするなら、もっと動きのある激しい運動をしたいと思うかも知れません。しかし、激しい運動は痛風対策に逆効果です。

激しい運動をすると、体内のエネルギー物質から新たにプリン体を生成し尿酸値を上昇させてしまいます。また、疲れにより乳酸が溜まることにより、尿酸の排出を妨げてしまいます。

高尿酸血症の人が、激しい運動をした翌日に痛風を発症するというのは、非常によく見られるケースです。

痛風に激しい運動はNGです。

 小まとめ 

・肥満、アルコール、ストレスが痛風の3大リスク。
・ウォーキングには尿酸値を下げるトリプルの効果がある。
・激しい運動は、かえって痛風リスクを増してしまう。

お肉もビールも大丈夫と聞いて、希望の光が見えてきました!
よかったわね。でも、そのポッコリお腹はなんとかしなさい。
(ギクッ)
肥満は痛風リスクを上げるのよ。運動しなさい。
仕事が忙しくて運動している時間がないんです。
何もまとまった運動じゃなくてもいいのよ。さっきも言ったけど、ウォーキングが一番お勧めなの。通勤の行き帰りに一駅歩くことを習慣にしましょうね。

痛風クリニックメインコンテンツ

このページの先頭へ