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もうビールは飲めないの!?痛風患者とアルコールの正しい付き合い方

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一度痛風発作になったことがある方は、「もう大好きなビールが飲めないんだ!」と悲嘆にくれることでしょう。特にこれまで毎日のように好きなだけアルコールを楽しんでいた方ならなおさらです。

でも実際、アルコールを一生我慢するのは耐えられない!そんな修行のような人生は生きる屍だ!と思う方も少なくないはずです。痛風になってしまったら一生アルコールを飲んではいけないのでしょうか。

アルコールが大好きな痛風患者の方のために、アルコールとの付き合い方を考えてみましょう。

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ビールのプリン体が原因じゃない!アルコールで痛風リスクが高まる本当の理由

アルコールは本当に痛風や高尿酸血症(尿酸値が高く、痛風にいつなってもおかしくない状態)の原因になるのでしょうか。残念ながら、答えは「イエス」です。アルコール摂取と痛風発症には明確な相関関係があります。
 
しかし、ビールのプリン体が痛風の直接的な原因と考えるのは早計といえるでしょう。
 
ビール大瓶(633ml)に含まれるプリン体は32.4mgです。もちろん何本も飲めばその分、量も積み上がってしまいますし、実際にビールがアルコールの中で最も痛風発症リスクが高いのも事実です。

しかし、他の食品の食事あたりのプリン体量と比較しても、ビール自体にはそこまで多くのプリン体が含まれているとは言えません。
<< プリン体の多い食品一覧 >>
<< メーカー別ビールのプリン体量一覧 >>

それでも痛風治療において悪者にされるアルコール。一体なぜ、アルコールは痛風発症に影響するのでしょうか。

アルコールが痛風、及び高尿酸血症に影響する理由は2つ挙げられます。
 
1つは、アルコールを摂取することで痛風の原因となる尿酸が排出されにくくなってしまうからです。アルコールを摂取すると、体内で乳酸の生成を促進します。乳酸は腎臓から尿酸を排出するのを抑制するため、結果として尿酸が排出されにくくなり、尿酸値が増加していきます。
<< 痛風の原因 >> 

2つ目の理由は、アルコール自体が尿酸そのものの生成を促進してしまうということです。つまり、アルコールを摂取すると、尿酸の排出を抑制し、生成を促進するというダブルパンチで尿酸値が上昇し、痛風リスクが高まってしまうのです。
 
プリン体がゼロだからと、プリン体ゼロのビールをガブガブ飲んでいてはまったく痛風予防にはなりませんし、高尿酸血症を悪化させてしまいます。

腎障害・尿路結石など合併症の発症リスクも高めるアルコール

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アルコールは痛風だけではなく、合併症にも影響を与えます。高尿酸血症になると、恐ろしいのは痛風の発症だけではありません。高い確率で発症する合併症に、腎障害と尿路結石があります。
 
尿路結石は、尿が排泄される腎杯、腎盂、尿管、膀胱、尿道といった通り道に尿酸の結石ができる病気で、発症すると炎症を起こし激痛を伴います。さらに腎臓内にも尿酸が増え、沈着していくようになると、腎臓に負担がかかりすぎ、腎機能が低下してしまいます。これが腎障害です。
 
腎臓の機能が低下すると、尿酸のコントロールがうまくいかず、腎機能はますます低下します。それによってさらに機能が低下すれば、最悪の場合透析治療が必要になってしまいます。
 
腎障害や尿路結石が進行する原因は、やはり多すぎる尿酸です。尿酸はアルカリ性に溶けやすく、酸性に溶けにくい性質があります。尿が酸性に傾くと、多すぎて溶けきれない尿酸は結晶化していき、結石や腎不全を発症する原因になります。

つまり、合併症を発症しないためには尿をアルカリ性に傾ける対策をとることが必要になってくるのです。
 
アルコールが合併症に影響するのは、アルコールを摂取することで尿が酸性に傾いてしまうからです。高尿酸血症になったら、アルコールを常習的に大量摂取することで合併症発症のリスクが高まることも知っておきましょう。

ストレスと尿酸を溜めないお酒の飲み方

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やっぱり痛風になったらアルコールはダメなんじゃん!と思ったかもしれません。しかし、痛風になったからといって、お酒好きな人がアルコールを一生我慢するのは現実的ではありません。
 
ストレスがたまり、かえって尿酸値を上げてしまう可能性があります。ですから、尿酸降下薬で尿酸値を適正にコントロールしつつであれば、アルコールは適量を守り、必要以上に我慢しないことをおすすめします。

確かに、アルコールを大量に摂取したあとは一時的に尿酸値が高くなります。しかし、継続しなければアルコールによる尿酸値上昇は落ち着きます。連日連夜の深酒でなければ尿酸値が高い状態が続くわけではありません。
 
ただし、飲酒した翌朝は痛風発作を起こしやすいタイミングでもあるので注意が必要です。痛風発作は尿酸値が激しく上下する際に発症しやすくなります。
 
飲酒日の翌日は、アルコール摂取によって尿酸値が上昇したあとで、急激に尿酸値が降下しているので、痛風発作が発症しやすくなっています。発症を抑えるためには、コルヒチンを服薬してからアルコールを飲むなど、薬をうまく活用しながらアルコールと付き合いましょう。
<< 痛風の薬 >>

アルコールによる尿の酸化が気になる場合は、おつまみに尿をアルカリ化する食材を取り入れたり、尿アルカリ化薬の「ウラリット」を飲酒時に服薬したりすることで尿の酸化を防げることができます。
 
また、日頃から水分を多く飲むなど、尿をアルカリ化したりすることを心がければ、アルコール摂取のみで合併症を引き起こすというリスクは低くなるでしょう。

ワインは痛風発症リスクを減らす!

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ワインにおいては痛風発症リスクの相関関係が認められていません。つまり、ワインは、摂取しても痛風リスクを高めないのです。それだけではなく、ワインを飲み続けることで、尿酸値が下がったという報告もあるほどです。
 
なぜワインが痛風発症リスクを高めないのか、メカニズムは明確になっていません。ワインに含まれるポリフェノールが尿酸の排出を促進すると言われています。
 
だからといって、ワインを飲んでも痛風にならない!と適正以上飲むことはやめましょう。先述の通り、アルコール自体が痛風発症リスクを高める原因を持ち合わせています。適正量以上を飲んでしまっては、アルコールによる痛風発症リスクがワインの効果を凌駕してしまいます。

 お酒を飲むときのポイント 

・適正量を守る
・毎日深酒をしない
・痛風発症リスクを抑えるために事前にコルヒチンを服薬する
・ビールよりはワインを選ぶ
・水を一緒に摂取する
・高脂質、尿を酸性化させるおつまみは避ける
・必要に応じて、尿アルカリ化薬の「ウラリット」を服薬する
・日頃から尿酸値をコントロールする

 

 1日のお酒適正量 ※アルコール20g 

・ビール中瓶(500ml)1本
・ワイン グラス2杯
・日本酒 1合
・焼酎(35%) 1/2合
・ウイスキーまたはブランデー ダブル1杯

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