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間違った薬を処方されていませんか? 目的別・3種類の痛風薬

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痛風の薬には、目的によって3種類あります。痛風発作が起こったときに飲む痛み止め薬、痛風を根本的に治療するための治療薬、痛風の前兆を感じた時に飲む予防薬です。

病気の専門家である医師においても、目的や量を間違えて薬を処方しているケースがあります。

間違った薬を飲んだり、間違った量の薬を飲むと、痛風が治らないどころか悪化して、重大な病気を引き起こす可能性があります。

今日の記事では、痛風の3種類の薬と、代表的な薬の名前、標準的な薬の飲み方をご紹介します。

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痛風が起こったら飲む痛み止めの薬

痛風は、突然発症し、足の親指のつけ根の関節などに、激しい痛みと腫れが生じます。痛風の痛みが生じている状態を痛風発作といいます。

痛風発作は一週間から10日ほど痛みの期間が続きます。この時に飲む痛風の薬は、炎症を抑え、痛みを軽減させることが目的となります。

痛風発作になったら、患部を冷やし、なるべく動かさないようするとともに、痛風外来などで痛み止めの薬を処方してもらいましょう。

痛風の痛みは、骨折かと間違えるような激しい痛みで、市販薬ではその痛みを抑えることはできません。鎮痛薬のアスピリンにおいては逆効果で、痛風の痛みを悪化させてしまい、大変危険です。

痛風の痛み止めは次の3種類があります。

コルヒチン

痛風の痛み止めとして、最も歴史があるのがコルヒチンです。コルヒチンはユリ科のイヌサフランの球根や種子に含まれる成分で、古くは紀元前1500年のエジプトで痛風治療の薬として使われていました。

ただし、日本では痛風の痛み止めとしてコルヒチンが処方されるケースは少なくなってきています。コルヒチンは、痛風発作が起きた直後に服用すると極めて効果的なのですが、時間が経過するとともに効果が薄くなるためです。

非ステロイド抗炎症薬

日本においては、痛風発作の痛み止めとして、非ステロイド抗炎症薬が最も一般的です。
痛風発作に非ステロイド抗炎症薬を使用する場合は、短期間のみ、通常よりも比較的多量に投与します。これを、NSAID(エヌセイド)パルス療法と言います。

例えば、ナプロキセンという非ステロイド抗炎症薬の場合、300mgを3時間ごとに3回、1日に限って投与します。その後も痛みが軽減しない場合は、24時間の間隔を置いて、もう一度、300mgを3時間ごとに3回服用します。

この処置で、多くの場合、痛風発作は軽減します。

NSAIDパルス療法で痛みが治まってきたら、非ステロイド抗炎症薬を通常量まで減らし、患部の赤みや腫れが消え、普通に歩けるようになるまで服用を続けます。

NSAIDパルス療法をあまり早くやめてしまうと、症状が悪化してしまいますので、必ず、医師の指導に従って下さい。

非ステロイド抗炎症薬は、副作用として胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすことがあるため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある場合は使われません。

副腎皮質ステロイド

非ステロイド抗炎症薬が使えない場合や、十分な効果が得られない場合、または、痛風発作が複数箇所に生じている場合は、抗炎症作用がより強い副腎皮質ステロイドが使われます。

以前は、痛風発作治療に副腎皮質ステロイドが使われるケースは少なかったのですが、最近は危険が少ない薬という認識が広まり、非ステロイド抗炎症薬と同様に、痛風発作治療薬として一般に使われるようになってきました。

副腎皮質ステロイドのメリットは、経口の他、点滴、静脈注射、筋肉注射、関節内注入など症状に応じて多様な方法が取れることです。

ただし、副腎皮質ステロイドは効果が高い分だけ、副作用も強くなります。必ず、医師の指導に従って下さい。

 

痛風を治療するため薬

痛風発作が治まって、痛風治療する時に使われる薬は、痛風の根本原因である、尿酸値を下げるための尿酸降下薬です。

痛風治療ができるようになるのは、痛風発作が治まってから2週間程度経過してからです。その前に痛風治療を始めてしまうと、痛風発作を再発、悪化させてしまう恐れがあります。

尿酸降下薬には2種類あります。尿酸の生成を抑えて尿酸値を下げる尿酸降下薬と、尿酸の排出を促進して尿酸値を下げる尿酸降下薬です。

尿酸降下薬は、どちらを飲んでもよいというわけではなく、痛風のタイプにより飲むべき薬が異なってきます。

尿酸の生成が過剰なために尿酸値が高い、尿酸産生過剰型のタイプの方は、尿酸生成抑制薬を飲みます。尿酸の体外への排出量が少ないために尿酸値が高い、尿酸排出低下型のタイプの方は、尿酸排出促進薬を飲みます。

ただし、既往症により使えないタイプの薬があるため、どちらの薬を選択するかは、医師の指導に従って下さい。

尿酸降下薬で痛風発作を起こすことがある

痛風発作は尿酸値が高いときだけでなく、急激に尿酸値が下がる場合にも起こることがあります。そのため、痛風治療で尿酸降下薬を使うと痛風発作を起こすケースがあります。

それを防止するため、痛風治療を始めてからしばらくの間は、尿酸降下薬と一緒に、前述した痛み止め、コルヒチンが処方される場合があります。これをコルヒチン・カバーと言います。

尿酸降下薬は少しずつ量を増やす

前述のとおり、急激な尿酸値の低下をきっかけとして痛風発作を起こすことがあります。それを防ぐため、尿酸降下薬は少しずつ量を増やしていくことが推奨されています。

尿酸生成抑制薬として使われるのは、日本では一種類で、アロプリノールです。アロプリノールは通常、1日1錠100mgからスタートし、最終的には300mgまで増やします。

尿酸排出促進剤として代表的なのは、ベンズブロマロンで、通常1日1錠25mgからスタートし、必要に応じて100mgまで増やします。

尿酸排出促進薬を使用する場合には、クエン酸を併用しよう

尿酸排出促進薬を使用すると、尿中への尿酸量が増加します。それにより、尿道などに尿酸塩結晶ができて、尿路結石を生じるリスクが生じます。

そのため、尿酸排泄促進薬を使用する場合には、尿をアルカリ化することが推奨されています。尿がアルカリ化すると、尿の中に尿酸が溶け込みやすくなり、結晶化を防ぐことができるからです。

以前は尿アルカリ化薬として、重曹が使用されていましたが、現在ではクエン酸を使用することが多くなっています。

その他、水分を多く摂ることも重要です。尿量を増やし、尿酸の結晶化を防止することに役立つからです。

 

痛風の前触れがある時に飲む薬

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痛風は初期症状もなく突然やってくる!尿酸値でわかるあなたの痛風危険度の記事で、痛風には前兆や初期症状がないと書きました。

しかし、痛風発作の経験者の場合、再び痛風が起きそうなときは前触れのようなものを感じることがあるようです。

その前触れというのは、痛風発作が起きそうな場所のズキズキ、ムズムズ、痛み、違和感です。

痛風の前触れを感じた時に、コルヒチンを1錠飲むと、痛風発作の発症を抑えることができます。仮にコルヒチンを飲んだにも関わらず、痛風発作を発症した場合でも、痛みをかなり抑えることができるでしょう。もしかしてこれは痛風かも、という程度の感じ方で済みます。

コルヒチンは痛風発作の前兆時に飲むことが大事で、痛風発作が生じた後に飲む場合、発作から時間が経過するほど効果は薄くなってしまいます。

コルヒチンは痛風の特効薬とも呼ばれますが、あくまでも、いざという時に痛風発作を抑えるための薬です。痛風の根本原因である尿酸値を下げる機能はありません。

コルヒチンがあれば大丈夫と考えて他の治療や薬物投与を怠っていると、尿酸値は上がり続け、気がついた時には痛風以外の合併症を引き起こしてしまう恐れもあります。

安易にコルヒチンに頼りすぎてしまうのも考えものです。先に述べた尿酸降下薬で、中長期的に尿酸値を下げていきましょう。

そうはいっても、痛風治療中の痛風患者にとって、コルヒチンはなくてはならないものです。突発的な痛風発作に対処するために、常に鞄などにコルヒチンを携帯するようにしましょう。

コルヒチンは痛風においてメジャーな薬ですので、痛風外来などで普通に処方してもらうことができます。

 

痛風によいとされる漢方薬やサプリメントは報告されていない

痛風治療のために、薬には頼りたくない、漢方やサプリメントで治すことができないだろうかと考える方もいらっしゃいます。

今のところ、漢方薬やサプリメントで痛風が治ったとされる研究結果は発表されていません。

痛風の原因は明確で、尿酸値が高いことです。尿酸値を正常化するためには、肥満を解消すること、適度な運動をすること、バランスの取れた食生活をすること、ストレスを解消することといった生活習慣を改善することが重要です。

当面は薬で対処しながらも、長期的には生活習慣の見直しで痛風治療をしていきましょう。

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